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生物多様性と外来種

目次

生物多様性とは

生物多様性って?
 

「生物多様性」とは、地球上のたくさんの生き物が、いろいろな環境に適応し、互いにつながり合って生きていることを表す言葉です。そのつながりは食物連鎖はもちろん、蜂と植物のような共生の関係など、多様で複雑な関わり合いで成り立っています。

しかし今、人間の活動などによる影響で、自然状態の何倍ものスピードで生物多様性が減少しているといわれています。また、生き物同士のつながりが多様で複雑であるため、ある種の生き物がいなくなったときに、どこまでどのような影響があるのか、ほとんどわかっていません。

私たち人間も、長い地球の歴史の中ではぐくまれてきた生物多様性の中で、その豊かな恵みに支えられて生きています。私たちの命やくらしを守るためにも、生物多様性の減少を食いとめる必要があります。

3つの生物多様性

生物多様性には、「生態系の多様性」「種の多様性」「遺伝子の多様性」の3つのレベルがあるとされています。

生態系の多様性

山や川、森林、湿地、農地など、それぞれの環境に適応した生き物たちがつくりだす様々な生態系があること。

種の多様性

鳥、魚、虫、植物、細菌など様々な種類の生き物がいること。未知のものを含めると約3,000万種の生き物がいるといわれています。

遺伝子の多様性

同じ種類の生き物でも、色や模様、温度変化への耐性などがそれぞれ異なり、多様な遺伝子による個性があること。

生物多様性の恵み

私たちは生物多様性が生み出す恵みを受けて生きています。この恵みのことを「生態系サービス」といい、次のように大きく4つに分けることができます。

 

基盤サービス
酸素の供給や水の循環、豊かな土壌の形成など。

供給サービス
食べ物や木材、医療品、品種改良、バイオミミクリー(生物模倣)など。

文化的サービス
自然景観の美しさやそれを背景とする伝統文化、自然とふれあうレクリエーションの場の提供など。

調整サービス
気候の調整や自然災害の防止、被害の軽減など。

生物多様性のめぐみ(環境省HP)このリンクは別ウィンドウで開きます

生物多様性が脅かされる原因
開発や乱獲
土地の開発や整備は、人間が安全で快適な生活を営むために必要な一方、自然環境に大きな影響を与える可能性があります。また、食用や観賞用など商業利用を目的とした乱獲は生き物の個体数減少の直接的な要因になります。
人のはたらきかけの減少
里地里山は、人が自然に手を加え、田畑や雑木林、水路、ため池などを作ることによって形成され、様々な生き物たちに生息・成育場所を提供してきました。しかし、くらし方の変化や人口減少により里地里山が利用されなくなることで里地里山の環境を好んでいた生き物たちが絶滅の危機にさらされています。また、里地里山に人の手が入らなくなったことに加え、狩猟をおこなう人の減少などにより、シカやイノシシの数が増えて生息域が広がることで、農林業被害や生態系への影響が発生してきます。
外来種や化学物質
外来種が在来種を食べてしまったり、生息域を奪ってしまったりする問題が起きています。また農薬や塗料、薬品などに含まれる化学物質の中には生き物への毒性を持つものがあり、それらが生態系に影響を与えています。
地球環境の変化
地球温暖化により寒い地域に生息している生き物たちの生息域が狭くなったり、海が酸性化することでサンゴの死滅などが起こっています。こうした地球環境の急激な変化に適応できない生き物たちが絶滅の危機にさらされています。

生物多様性に迫る危機(環境省HP)このリンクは別ウィンドウで開きます
環境省レッドリスト2020の公表について(環境省HP)このリンクは別ウィンドウで開きます
山形県レッドリストについて(山形県HP)このリンクは別ウィンドウで開きます
 
生物多様性を守るために、私たちにできるアクション

環境省では、生物多様性を守る第一歩として、身近なところから行える5つの取組を「My行動宣言」として紹介しています。

Act1(たべよう) 地元でとれたものを食べ、旬のものを味わいます。
Act2(ふれよう) 自然の中へ出かけ、動物園、水族館や植物園などを訪ね、自然や生き物にふれます。
Act3(つたえよう) 自然の素晴らしさや季節の移ろいを感じて、写真や絵、文章などで伝えます。
Act4(まもろう) 生き物や自然、人や文化との「つながり」を守るため、地域や全国の活動に参加します。
Act5(えらぼう) エコラベルなどが付いた環境に優しい商品を選んで買います。

MY行動宣言(環境省HP)このリンクは別ウィンドウで開きます

外来種と特定外来生物

外来種って?

外来種とは、人間の活動によって、もともと生息・成育していない地域に入ってきた生き物のことです。
海外から日本に入ってきた生き物(国外由来の外来種)だけでなく、在来種(地域に自然分布していた生き物)も日本国内のある地域から、もともといなかった地域に入ってきた場合には外来種(国内由来の外来種)になります。

外来種の悪影響

外来種には、農作物や家畜、ペットなどのように、私たちの生活にとって大切な生き物がたくさんいます。一方で、地域の中に入ってくることで、その地域の生態系だけでなく、私たちの健康や農林水産業にまで悪影響を与える場合があります。


「生態系への影響」

  • 【捕食】在来種を食べる
  • 【競合】在来種の生息・成育場所を奪う
  • 【遺伝的攪乱】近縁の在来種と交雑して雑種をつくる

「人の生命・身体への影響」

  • 毒を持っていて危険
  • 人を噛んだり、刺したりする

「農林水産業への影響」

  • 農林水産物を食べる
  • 畑を踏み荒らす

また、地域の自然環境に大きな影響を与え、生物多様性を脅かすおそれのある外来種を特に、「侵略的外来種」といいます
参考

特定外来生物とは?

「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(通称:外来生物法)」では、国外由来の外来種を「外来生物」とよび、その中で生態系などへ被害をおよぼす(または、およぼす恐れがある)として国が指定したものを「特定外来生物」と定めています。

特定外来生物は、飼育や譲渡、放出等が原則禁止されています。違反した場合、三年以下の懲役・300万円以下の罰金(個人)、1億円以下の罰金(法人)が科される場合があります。

詳しい情報は以下よりご確認ください。

守ろう!外来種被害予防三原則

外来種からの生態系などへの被害を防ぐために外来種被害予防三原則を守りましょう。

1:入れない
悪影響をおよぼすかもしれない外来種は、その生息・成育していない地域に「入れない」

2:捨てない
ペットなど、飼育している外来種を「捨てない」(逃がさない・放さない・逸出させないことを含む)
ペットを捨てると法律で罰せられる場合があります。飼い主は最後まで責任を持って飼育しましょう。
※飼いきれない場合は、責任を持って次の飼い主を探しましょう。

3:拡げない
すでに野外で繁殖している外来種を他地域に「拡げない」

特定外来生物「オオキンケイギク」について

オオキンケイギク1 オオキンケイギク2

写真:環境省提供

オオキンケイギクとは?

オオキンケイギクは北アメリカ原産の多年草で、5月から7月にかけて黄色のコスモスに似た花を咲かせます。強靭でよく生育することから、観賞用、緑化用として国内に導入されました。しかし、繁殖力があまりにも強く、一度定着してしまうと在来の野草の生育場所を奪い、周囲の環境を一変させてしまうため、平成18年に外来生物法に基づく特定外来生物に指定されました。

花の特徴
  • 花はコスモスに似た形状で直径5cmから7cm程の頭状花(茎の先端に1つの花をつける)
  • 花びらは黄橙色で(花の中央部も同じ色)、先端には不規則に4から5つのギザギザがある
  • コスモスとは開花時期が異なる(コスモスは秋)
  • 八重咲のものや、花びらの付け根が赤茶色のものもある
葉の特徴
  • 細長いへら状をしていて、一番幅がある部分の幅は1cm程度
  • 葉の両面には荒い毛が生えており、葉の周囲はなめらか(鋸歯がない)
駆除のときに注意してください
  • オオキンケイギクを繁茂させないようにするためには、種子を地面に落とさない、もしくは種子がつく前に駆除を行うことが大切です。
  • オオキンケイギクは基本的に、生きたままの運搬が禁止されています。駆除を行う際は、根から抜いたあと袋に入れて密封し、天日にさらして枯らす、腐らせるなどの処置をしてから燃えるゴミとして処理してください。
参考情報(リンク)

特定外来生物「アレチウリ」について

アレチウリの写真1 アレチウリの写真②

写真:環境省提供

アレチウリとは?

アレチウリは北アメリカ原産のウリ科の一年草です。生育速度が非常に速いつる性植物で、つるの長さが数m~数十mになります。日当たりが良く腐植質の多い土壌を好み、河川敷等での群生が多い植物です。長いつるでほかの植物に覆いかぶさり、成長を妨げ、在来種を駆逐するおそれがあることから、平成18年に外来生物法に基づく特定外来生物に指定されました。

アレチウリの特徴
  • 5月~10月頃まで芽生えの時期がある。
  • 8月頃から開花し始め、9月頃から白いとげに覆われた実をつける。
  • 1株当たり400~500個以上の種子をつける。
  • 一年草のため冬には枯れるが、つるが丈夫なため、絡み合ったまま残ってしまう。
駆除の際に注意してください
  • アレチウリは長いもので10m以上に成長してしまうため、できるだけ小さく、実をつける前に根から抜き取りを行うのが効果的です。
  • 種子には休眠性があり、2年~3年後に発芽する場合もあるため、継続して駆除を行うことが重要です。
  • 特定外来生物は、原則として生きている状態での運搬が禁止されています。袋に密封した状態で、天日にさらすなどして枯死させてから燃えるゴミとして処理してください。
参考情報

アメリカザリガニについて(令和5年5月24日更新)

アメリカザリガニ1 アメリカザリガニ2

アメリカザリガニとは?

アメリカザリガニは、アメリカ南東部原産のザリガニの一種で、食用ウシガエルの餌として日本にやってきたといわれています。その後、養殖池からの逃亡や、人の手による放流等で全国に広まって増え続け、現在では47都道府県全てで発見されています。

参考

特徴・生態
  • 大きさ:全長が通常10cm程に成長し、最大で15cm。
  • 色:成体は赤~赤褐色。若いものは淡褐色、黄褐色、緑泥色。
  • 生息環境:川・沼・池をはじめ、農業水路や水田、ため池など、さまざまな環境に生息。高水温・低酸素・水質汚染にも耐性があり、劣悪な環境下でも生息可能。
  • 餌:雑食性で、藻や水草、落ち葉などの植物や水生昆虫、オタマジャクシ、魚類等の動物など、さまざまな動植物を食べる。
  • 寿命:4~5年

参考

アメリカザリガニを川や池に放さないでください!

アメリカザリガニは雑食性で、水生昆虫や両生類、魚類など、さまざまな生き物を食べてしまうほか、水草をはさみで切ったりすることで環境を大きく変え、他の生き物の生息環境(産卵場所や隠れ家など)を奪ってしまいます。こういった環境への影響を広げないために、現在飼育しているアメリカザリガニを放したり、捕まえたアメリカザリガニを別の場所に放すことは絶対にしないでください。

参考

令和5年6月1日から規制スタート~条件付特定外来生物に指定~

※条件付特定外来生物:特定外来生物のうち、一部の規制がかからない生物のこと

外来生物法により禁止されること

  • 生きた個体を野外に逃がしたり、放したりすること。
  • 生きた個体の輸入、販売、購入や販売・頒布を目的とした飼育等。
  • 無償であっても、生きた個体を広く配ること(頒布)。
  • 冷凍や加工などをして販売するために商業的繁殖を行うこと。

※目的次第では許可を受けることにより可能となる場合もあります。

手続きなしでできること

  • 一般の方がペットとして飼育すること。※逃げ出さないような施設で飼育することが必要
  • 飼えなくなった場合などに、責任を持って飼える人に無償で譲ったり、譲り受けたりすること。

参考

アカミミガメについて(令和5年5月24日更新)

アカミミガメ写真2 アカミミガメ2

写真:環境省提供

アカミミガメとは?

「ミドリガメ」の通称で、ペットとして日本に輸入されました。ペットとして飼育されていた個体が野外に放たれることなどにより、北海道から沖縄まで全都道府県に分布しています。

在来のカメ類と餌や日光浴場所をめぐって競合し、定着地域では在来のカメ類や水生生物、魚類、両生類、甲殻類などに影響を及ぼしていると考えられています。

特徴・生態
  • 大きさ:生まれたときは3cm程度。オスは20cm、メスは30cm近くまで成長。
  • 生息環境:河川、湖、池沼など、水生植物が繁茂し水深のある流れの緩やかな流水域を好む。
  • 餌:植物の葉、花、果実、水草、藻、魚類、甲殻類や巻貝など、さまざまな動植物を食べる。
  • 寿命:約30年
令和5年6月1日から規制スタート~条件付特定外来生物に指定~

※条件付特定外来生物:特定外来生物のうち、一部の規制がかからない生物のこと

外来生物法により禁止されること

  • 生きた個体を野外に逃がしたり、放したりすること。
  • 生きた個体の輸入、販売、購入や販売・頒布を目的とした飼育等。
  • 無償であっても、生きた個体を広く配ること(頒布)。
  • 冷凍や加工などをして販売するために商業的繁殖を行うこと。

※目的次第では許可を受けることにより可能となる場合もあります。

手続きなしでできること

  • 一般の方がペットとして飼育すること。※逃げ出さないような施設で飼育することが必要
  • 飼えなくなった場合などに、責任を持って飼える人に無償で譲ったり、譲り受けたりすること。

参考

2023年6月1日よりアカミミガメ・アメリカザリガニの規制が始まります!(環境省HP)このリンクは別ウィンドウで開きます

アカミミガメを飼育している方へ
  • 決して野外に放さないでください。
  • 日光浴などで野外に出す場合は、カラスなどに持ち去られないよう、容器のふたをしてください。
  • 水槽の掃除のために一時的にカメを出すと、目を離したすきに脱走することがあります。別のふた付きの容器に入れて逃げ出さないようにしてください。
  • 庭の池などで飼育している場合は、カメが登って逃げ出すような樹木や構造物がないようにしてください。

参考

アカミミガメ・アメリカザリガニの飼養等基準(環境省HP)このリンクは別ウィンドウで開きます

アカミミガメの飼育を考えている方へ

アカミミガメの寿命は約30年ととても長生きです。30年後も大きくなったアカミミガメの世話(日々の餌やり、大型水槽の水換え、日光浴など)を続けられるのかよく考えてみてください。

この記事に関するお問い合わせ

担当課: 市民部生活環境課
tel: 023-654-1111
fax: 023-653-0744

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