市長の部屋

施政方針

令和8年度 施政方針

はじめに

 令和7年度第7回天童市議会定例会に当たり、市政運営の基本的な考え方について、所信の一端を申し上げ、市民の皆様並びに議員各位の御理解と御協力をお願いする次第であります。

 私が市政をお預かりして1年が経過いたしましたが、昨年は私たちがこれまでに経験したことのない出来事が起こった年でありました。特に、住宅地を始めとする日常生活圏へのクマの出没については、生命と財産を守るために関係機関と連携し、丁寧な対応に取り組みました。また、高温・渇水による農業への影響や現在も続く米の価格高騰などもありましたが、この令和7年度も、皆様の御理解のもと様々な施策を展開し、本市の更なる発展に向けたまちづくりを進めてまいりました。

 その取組のひとつとしては、学校給食の無償化事業です。これまで対象としてきた中学生に加え、新たに小学生を対象に含めました。また、天童南部第三・第四学童保育所の移転・新築により、利用児童数増加への対応と生活環境の改善を図りました。

 観光面では、第70回の節目を迎えた天童桜まつり「人間将棋」を盛大に開催するとともに、本市を会場としては23年ぶりとなる織田信長サミットを開催し、歴史と文化が架け橋となる交流人口の拡大に取り組みました。

 さらに、市立図書館は、機能や設備の充実と新たなにぎわいの創出に向け、リノベーション事業のスタートを切ったところであります。

 そのほか、本市の課題解決に向けた取組としまして、プロジェクトチームを立ち上げて検討を行い、一部事業について令和8年度の実施につなげるよう進めてまいりました。

 これらの施策により、本市の抱える課題解決に向けた取組を着実に進めることができましたのも、議員の皆様を始め、多くの市民の皆様からの御協力の賜物と、深く感謝申し上げる次第であります。

 さて、国におきましては、地方創生の取組を開始してから10年が経過したことを踏まえ、今後の方向性として、「強い経済」、「豊かな生活環境」、「選ばれる地方」の実現を目指し、自治体が行う地方創生の取組を支援して、持続可能な地域づくりを進めることとしております。

 本市としましても、人口減少社会に対応しながら、生き生きと住み続けられる持続可能な未来を描き、様々な課題の克服を図るため、第八次天童市総合計画を策定したところであります。その基本構想では、これからの市の将来像を「笑顔あふれ 幸せひろがる 安心都市」と定めるとともに、その実現に向けて六つのまちづくりの柱を掲げており、その柱を基本目標として、今後の施策を展開してまいります。

 一つ目は、「人口減少の中でも持続可能なまちづくり」です。

 全国的に人口減少の局面が続く中、多様なまちづくりの力が集い、輝くための取組を推進し、若者や女性を含めた幅広い年代の人々から選ばれるまちへの進化を目指す施策を進めてまいります。

 特に、本市がこれまで力を入れてきた子育て支援に継続して取り組み、子育てに伴う負担の軽減を図ります。また、長年にわたり本市が築いてきた「将棋のまち」を、更にその高みにある「将棋の聖地」へと進化させるための総合的な施策を推進し、全国に誇ることのできる本市の強みを広く発信してまいります。

 二つ目は、「いつまでも輝ける健康長寿のまちづくり」です。

 団塊の世代が75歳に到達した中で、高齢者がいつまでも輝きながら安心して暮らしていくことのできる地域社会の実現に向けた取組を進めるとともに、市民が健康で充実した生涯を送るための保健と医療の充実を図ります。

 中でも、高齢者福祉においては、介護予防事業の積極的な展開などにより健康寿命を延伸するとともに、社会参加を促します。また、各種健診や全世代型の健康づくり、生活習慣病予防などにより、市民の更なる健康増進を図ります。

 三つ目は、「魅力ある産業を育むまちづくり」です。

 本市の優れた資源の強化と掘り起こしを行いながら、魅力ある農林業・商工業・観光業の発展につなげる取組を通し、本市で働く人や、本市を訪れる人を始めとする本市の産業に関わる様々な人の心を惹きつけることができるまちづくりを目指します。

 特に、農業については、農作物のブランド化や気候変動対策、農地の集積と経営規模の拡大などによる経営基盤の強化を進め、安定した農業経営の確立を目指します。また、石鳥居東工業団地については、本市の地理的優位性などを生かした企業誘致の実現と魅力ある雇用の場の創出に向けて事業を進めます。

 四つ目は、「快適な環境と安全・安心を守るまちづくり」です。

 本市の恵まれた自然環境や住みよい住環境・都市環境を次世代に引き継いでいくための計画的な取組を推進するとともに、頻発化・激甚化する自然災害に対応するため、防災対策の更なる充実に取り組んでまいります。

 中でも、市街地や田園集落の特性を生かした有効な土地利用を継続しながら田園集落の活性化に向けた取組を進めるほか、(仮称)天童南スマートインターチェンジの完成に向けて整備を推進します。また、デマンド型交通については、日常生活における利便性の更なる向上を目指し、運行内容を見直します。

 五つ目は、「生涯を通して学びの続くまちづくり」です。

 本市の将来を担う子どもたちが力強く未来を生き抜く力を身に付けることができるよう、きめ細かな教育施策を進めるとともに、市民一人ひとりが社会情勢の変化に対応しながら、心豊かな暮らしを送ることができるよう、継続した学びに向けた環境の充実を図ります。

 特に、社会の変化に合わせた質の高い教育を提供し、子どもたちが生き生きと学校生活を送れるよう、適切な指導と支援を行います。また、機能や設備の充実と新たなにぎわいの創出のため、市立図書館リノベーション事業を完成に向けて推進します。

 六つ目は、「市民と行政が共に向き合うまちづくり」です。

 人口減少社会にあっても持続可能な行財政運営を進め、様々な市民ニーズに的確に対応し、幅広い世代の市民と行政が向き合いながら、より良い天童市の将来を目指してまいります。

 中でも、市報は、多様な情報発信手段の普及に伴い、令和8年10月から発行回数を現在の月2回から月1回に変更し、ペーパーレスの推進と配布に伴う市民の負担軽減を図ります。

 これら六つのまちづくりの柱を基本目標として各事業を推進するとともに、第八次天童市総合計画と一体的に策定した第3期天童市総合戦略に基づき、将来を見据えた地方創生の取組を効果的に展開してまいりますので、皆様からの一層の御協力をお願い申し上げます。

令和8年度予算の大要

 我が国の経済は、賃上げ率が2年連続で5%を上回るなど、景気が緩やかに回復している一方、食料品を中心とした物価上昇に賃金の伸びが追い付かず、個人消費は力強さを欠いている状況にあります。また、米国関税措置に関する日米協議は合意に至ったものの、世界経済の先行きには不透明感があり、国内においても少子化や地方の活力低下といった早急に克服すべき構造的な課題があります。

 こうした中、国では、生活の安全保障・物価高への対応、危機管理投資・成長投資による「強い経済」の実現、防衛力と外交力の強化を三つの柱とする総合経済対策を策定し、その裏付けとなる令和7年度補正予算の成立を受け、関連する施策をできる限り速やかに実行し、切れ目のない経済・財政運営を行うとしています。

 地方財政については、物価高が続くとともに、社会保障関係費や人件費の増加が見込まれる中、様々な行政課題に対応しながら、安定的な行政運営を行うために必要となる一般財源総額について、令和7年度を上回る額が確保されたところであります。

 これらを踏まえ、本市の令和8年度予算は、経済・物価動向等を適切に反映しつつ、緊急度や優先度に応じて事業の取捨選択を行い、効率的かつ効果的な予算編成に努めるとともに、第八次天童市総合計画に掲げる市の将来像の実現に向けて事業展開を図るものといたしました。

 歳入については、賃上げを始めとする給与所得の改善を背景に、市税収入の増額を見込んでおり、また、国や県の補助金や市債等を積極的に活用し、財源の確保に努めたところであります。

 歳出については、小・中学校入学応援金「エール天(10)」支給事業や学校給食無償化事業を推進するほか、不妊治療費助成事業の拡充や休日一時預かり事業の新規実施など、子どもを産み育てやすい環境づくりを引き続き図ってまいります。また、新生児誕生祝福将棋駒ストラッププレゼント事業やDX活用将棋振興事業等を実施し、「将棋の聖地」を目指す取組を強化してまいります。石鳥居東工業団地については着実な事業の推進を図るほか、事業完了を目指して(仮称)天童南スマートインターチェンジ整備事業に取り組むとともに、公共交通の充実に向けてデマンド型交通の拡充や市営バス運賃のキャッシュレス決済導入を実施し、産業の振興と市民生活の利便性向上に取り組んでまいります。集積所に残された一部のごみの収集や公園トイレの清掃を市で実施するほか、市報の発行を月1回に変更し、市民の負担軽減を図ってまいります。さらに、危険鳥獣出没への対応として、狩猟免許取得への支援のほか、緊急銃猟時や小・中学校に必要となる物品の拡充を行い、また、災害への備えとして中学校への防災倉庫と資機材等の整備、洪水ハザードマップの更新など、市民の安全・安心を確保するための取組を推進してまいります。

 この結果、令和8年度の一般会計予算は335億4,000万円で、前年度比14億5,000万円、4.5%の増としました。また、一般会計、特別会計及び企業会計を合わせた予算総額は、555億5,568万4千円で、前年度比16億8,026万4千円、3.1%の増としたところであります。

令和8年度重点施策

 次に、令和8年度の重点施策について、第八次天童市総合計画のまちづくりの柱に沿って、御説明申し上げます。

 

(人口減少の中でも持続可能なまちづくり)

 はじめに、「人口減少の中でも持続可能なまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。

 結婚活動の促進を図るため、やまがたハッピーサポートセンターのマッチングシステムを利用する際の登録料を助成します。

 安心して子育てができる環境を充実するため、休日一時預かり事業に取り組む保育所に対する助成を行います。

 不妊治療に伴う経済的な負担を緩和するため、更なる支援を行います。

 山口児童クラブの生活環境の改善を図るため、移転・新築に向けた設計事業を実施します。

 「将棋の聖地」としてのブランド力向上を目指し、天童将棋駒の普及活動や将棋の魅力発信を行う地域おこし協力隊を採用します。

 将棋駒を活用して新生児の誕生を祝福するため、名入り将棋駒ストラップをプレゼントします。

 

(いつまでも輝ける健康長寿のまちづくり)

 次に、「いつまでも輝ける健康長寿のまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。

 高齢者の日常生活の質の向上と、認知症等の発症リスクの低減を図るため、補聴器の購入費用を助成します。

 介護人材確保のため、市内の介護事業所に就労する介護職員に対して賃貸住宅の家賃を助成します。

 介護保険制度の円滑な運営のため、第10期介護保険事業計画を策定します。

 市民保養施設「ゆぴあ」の適切な維持管理のため、施設全体の状況を把握し、今後の管理計画を策定します。

 生活習慣病の重症化予防を推進するため、尿中塩分濃度検査を実施し、食事や運動などに関する学習の機会を提供します。

 病院事業は、健全経営に努めるとともに、引き続き市民に寄り添い、質の高い安心できる医療の提供に努めてまいります。

 

(魅力ある産業を育むまちづくり)

 次に、「魅力ある産業を育むまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。

 果樹の生産性と品質の向上を図るため、果樹栽培施設の整備について、引き続き支援を行います。

 有害鳥獣による農作物への被害に関する対応の強化に向けて、狩猟免許の取得等に対する更なる支援を行います。

 観光誘客に向けた取組を推進するため、観光プロモーションを行う地域おこし協力隊を採用します。

 観光客の利便性向上を図るため、天童市観光情報センターに観光情報等を表示するディスプレイを設置します。

 魅力と活力ある産業づくりを進めるため、石鳥居東工業団地整備事業を推進します。

 

(快適な環境と安全・安心を守るまちづくり)

 次に、「快適な環境と安全・安心を守るまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。

 デマンド型交通の利便性をさらに向上するため、「市民のりあい交通」として運行内容の大幅な見直しを実施します。

 集積所に残されたごみや公園管理に関して町内会等の負担軽減を図るため、未収集ごみ対策事業と公園トイレ清掃事業を実施します。

 クマなどの危険鳥獣の日常生活圏への出没抑制や出没時の対策などのため、緩衝帯の整備等に助成を行うほか、緊急銃猟時に必要な物品を購入します。

 田園集落における地域コミュニティの維持を図るため、一定の要件を満たす住宅の取得に対する助成を拡充します。

 高速道路へのアクセス向上と交流人口の拡大に寄与する(仮称)天童南スマートインターチェンジは、完成に向けた整備を推進します。

 道路等の改良や維持補修等を計画的に実施するほか、橋梁修繕工事についても引き続き取り組みます。

 水道・下水道事業については、継続して健全経営に努めながら、老朽施設対策を進めてまいります。水道事業は、安全な水を安定して供給するため、老朽管路の耐震化や配水施設の更新等を計画的に実施します。下水道事業は、汚水管渠の調査と更生、マンホール蓋の更新等を計画的に実施します。

 

(生涯を通して学びの続くまちづくり)

 次に、「生涯を通して学びの続くまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。

 複式学級における教育の質を確保するため、複式学級学習指導員配置事業を実施します。

 子育て世帯の負担軽減を図るため、小・中学生の学校給食の無償化を継続するとともに、不登校の児童・生徒やアウタースクールに通う児童・生徒などに対し、学校給食費相当の支援を実施します。

 公民館利用者の利便性と安全性の向上を図るため、市立長岡公民館の施設改修を実施します。

 プロスポーツチームのホームタウンとして、支援を継続して実施します。

 新たなにぎわいの創出と交流人口の拡大を図るため、モンテディオ山形新スタジアムの建設を引き続き支援します。

 機能や設備の充実に加え、更なる活性化や新たな付加価値の創造のため、市立図書館リノベーション事業を完成に向けて推進します。

 

(市民と行政が共に向き合うまちづくり)

 最後に、「市民と行政が共に向き合うまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。

 業務の更なる効率化を図るため、職員自らが業務アプリを作成できるクラウドサービスを導入します。

 多様な情報発信手段の普及に伴い、ペーパーレスの推進と配布に伴う市民の負担軽減を図るため、令和8年10月から、市報の発行回数を月2回から月1回に変更します。

 ふるさと納税については、地場産業や伝統工芸の振興を始めとする本市のまちづくりを推進するため、趣旨に賛同いただける寄附者を、さらに全国から獲得できるよう取り組んでまいります。

 

 以上が令和8年度における施策の大要であります。

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