市長の部屋

施政方針

令和6年度 施政方針

令和6年度施政方針を掲載しました

はじめに

 令和5年度第7回天童市議会定例会に当たり、市政運営の基本的な考え方について、所信の一端を申し上げ、市民の皆様並びに議員各位の御理解と御協力をお願いする次第であります。

 令和5年度を振り返りますと、5月に新型コロナウイルス感染症が5類に位置付けられ、ようやく日常が回復し、4年ぶりに制限なく様々な行事を開催することができました。

 天童の春を全国に発信する天童桜まつり「人間将棋」は、城壁や櫓を全面リニューアルし、より華やかに舞台を整えて開催いたしました。

 夏には天童夏まつりを開催し、たくさんの市民の笑顔にあふれた2日間となりました。

 秋には、第10回の記念大会となる天童ラ・フランスマラソン2023を開催しました。特別ゲストとして福士加代子さんを迎え、市内外から4,100人を超えるランナーからエントリーしていただきました。

 10月には市制施行65周年記念式典を開催し、WBC日本代表前監督の栗山英樹さんをお招きし、記念講演を盛大に実施しました。

 2月には、天童市民芸術祭60回記念事業として、女優の渡辺えりさんをお招きして公演を開催したところであります。

 市民の皆様とともにコロナ禍を乗り越え、賑わいと活気に満ちあふれた行事を開催できましたことは、大きな喜びであり、3年を超える長きにわたり感染症対策に御尽力いただいた医療関係者などの皆様に、改めて心より感謝申し上げます。

 そのほか、4月には、干布地区に生涯学習の拠点として市立干布公民館を開館し、田麦野地区では、旧田麦野へき地保育所を高原の里交流施設「さとやま」として改装しました。また、東北芸術工科大学と包括的連携協定を締結し、市立図書館のリノベーションについて、市民の皆様と議論しながら基本計画の策定に取り組みました。

 6月には、さくらんぼの新品種「やまがた紅王」が本格販売され、ピーアールのために温泉宿泊施設での試食品提供を行うとともに、学校給食でも児童・生徒に提供しました。

 9月には、市スポーツセンターを会場に16年ぶりとなる山形県・天童市合同総合防災訓練を実施しました。

 これらの施策により、令和5年度につきましては、天童ならではの魅力を更に高められ、市民の皆様の満足度向上につながったものと考えております。

 これも議員の皆様をはじめ多くの市民の皆様の御協力の賜物と、深く感謝申し上げる次第であります。

 さて、今年の元日に令和6年能登半島地震が発生しました。この巨大地震は能登地域の交通網を寸断し、電気、水道、通信などライフラインの損傷を引き起こしました。

 大地震をはじめとする自然災害は起こらないに越したことはありませんが、大規模災害を想定して市民や関係する方々と日ごろから訓練を積み重ね、手順を確認しておくことが、市民の命と財産を預かる行政の役割であると改めて感じたところであります。近年、毎年のように発生する豪雨災害への対応も含め、国や県と力を合わせ、更なる防災力の強化に取り組んでいく所存であります。

 私はこれまで、「子育て支援」、「観光・ものづくり」、「スポーツ・文化・健康づくり」という三つの日本一への挑戦を、市長就任以来一貫して掲げてまいりました。この挑戦は、時代が変化する社会の中でも、市内外に誇れる普遍的なまちづくりの指針だと認識しております。

 特に「子育て支援」に関しては、放課後児童クラブの継続的な整備、子育て未来館「げんキッズ」の設置、小中学校入学応援金「エール天(10)」の創設など、ハード・ソフト両面から力を入れて取り組んでまいりました。

 しかしながら、出生数がコロナ禍前まで回復しておらず、子育て世代への更なる支援の必要性を感じております。また、増加する不登校の児童・生徒に対しては、きめ細かなサポートを行い、力を伸ばせる環境を整えてまいります。その時々の課題に対応し一層の子育て支援を実施してまいります。

 「観光・ものづくり」に関しては、山口西工業団地に立地した企業が、昨年秋に本格稼働いたしました。新たな事業所が稼働し雇用が創出されることを大変うれしく感じております。

 また、「将棋のまち天童」の名を更に高めるため、3月には新たなシンボルとなる将棋のモニュメントがJR天童駅前に完成する予定です。

 「スポーツ・文化・健康づくり」に関しては、モンテディオ山形をはじめとするプロスポーツチーム等のホームタウンとして、チームを引き続き支援するとともに、市民が気軽に文化・スポーツに親しめるよう、施設の維持管理を計画的に進めてまいります。

 令和6年度は第七次天童市総合計画の最終年度となります。本市の将来都市像「笑顔 にぎわい しあわせ実感 健康都市 ~ともに明日をひらく てんどう~」が実現するよう各種施策に全力で取り組むとともに、市民目線に立った行政サービスの向上と更なる高みを目指し、三つの日本一への挑戦を続けていく所存であります。

令和6年度予算の大要

 我が国の経済動向は、コロナ禍の3年間を乗り越え、改善傾向にあり、30年ぶりとなる高水準の賃上げや企業の高い投資意欲など、経済には前向きな動きがみられます。しかしながら、賃金の上昇は輸入価格の上昇を起点とする物価上昇には追い付いておらず、個人消費や設備投資は依然として力強さを欠いているため、これを放置すれば再びデフレに戻るリスクがあり、また、潜在成長率が低水準で推移しているという課題もあります。

 こうした中、国では、物価高対策とともに、持続的で構造的な賃上げやデフレからの完全脱却と民需主導の持続的な成長に向け、人への投資、科学技術の振興およびイノベーションの促進、少子化対策・子ども政策の抜本強化など、新しい資本主義の実現に向けた取組の加速や国民の安全・安心の確保などの政策課題について必要な予算措置を講じ、日本経済を新たな経済成長の軌道に乗せていくとしています。

 地方財政については、社会保障関係費や人件費の増加が見込まれる中、住民ニーズに的確に応えつつ、子ども・子育て政策の強化など様々な行政課題に対応し、安定的な財政運営を行うために必要となる一般財源総額の確保について、対策が講じられたところであります。

 これらを踏まえ、令和6年度予算は、緊急度や優先度に応じて事業の取捨選択を行い、効率的かつ効果的な予算編成に努めて健全財政を堅持するとともに、第七次天童市総合計画の最終年度として、本市の着実な発展を目指したところであります。

 歳入予算については、官民連携した賃上げをはじめとする所得環境の改善や企業の設備投資意欲の後押し等を背景とした経済成長から税収の増加が見込まれるものの、物価高騰への対応として実施する定額減税を考慮し、市税収入については減収としています。また、国や県の補助金や市債などの積極的な活用を図り財源の確保に努めました。

 歳出予算については、インフルエンザ予防接種の助成対象者を妊婦と6か月児から18歳までに拡大するとともに、幼稚園から認定こども園への移行を行う民間事業者に対し建設費用の支援を行うほか、これまで第3子以降を対象として実施してきた学校給食費の無償化を、全ての中学生を対象とするよう拡大するなど、日本一子育てしやすいまちを目指し、子育て支援の更なる充実を図ってまいります。公共施設の整備については、市立荒谷公民館の改築や市立図書館リノベーションの設計に着手します。また、新たな工業団地や(仮称)天童南スマートインターチェンジの整備を推進し、雇用の場の確保と産業の活性化に向け取り組んでまいります。

 この結果、令和6年度の一般会計予算は300億1,000万円で、前年度比22億3,000万円、8.0%の増としました。また、一般会計並びに特別会計、企業会計を合わせた予算総額は、529億3,799万5千円で、前年度比35億2,929万6千円、7.1%の増としました。

令和6年度重点施策

 次に、令和6年度の重点施策について、第七次天童市総合計画の基本計画に沿って、御説明申し上げます。

 

(健康と健やかな成長を支え合うまちづくり)

 はじめに、「健康と健やかな成長を支え合うまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。

 「母子健康手帳」と「子育て支援機能」等を組み合わせた「子育て支援アプリ」を導入し、子育て世代を継続的にサポートする母子保健デジタル活用事業を実施します。

 健やかな出産・育児を支援するため、妊婦歯科健康診査費用助成事業を実施します。

 熱中症対策や安全対策等を行う事業者を支援する保育環境改善等事業を実施します。

 天童南部地区の利用児童数増加等に対応するため、(仮称)天童南部第七・第八学童保育所の整備に着手します。

 「地域共生社会」の実現に向けて、市全体で包括的支援体制の構築を行う重層的支援体制整備事業を実施します。

 インフルエンザ予防接種助成対象者を、妊婦と6か月児から18歳までに拡大し、重症化予防と子育て支援の拡充を図ります。

 子育て世帯の経済的負担を軽減するため、小学校および中学校に入学した子の保護者に対し、小中学校入学応援金「エール天( 1 0 )」支給事業を継続して実施します。

 各児童クラブ協会の効率的な施設利用を図るため、大規模児童クラブの支援を拡充する放課後児童健全育成事業を実施します。

 病院事業については、引き続き地域に根差した安全で質の高い医療の提供に努めてまいります。

 

(産業の活力と魅力あふれるまちづくり)

 次に、「産業の活力と魅力あふれるまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。

 本市の将棋ブランドを高め、プロ棋士を目指す小学生の憧れの地になるため、小学生将棋名人戦を誘致します。

 天童高原スキー場の健全な管理運営のため、天童高原ゲレンデ整備車更新事業を実施します。

 さくらんぼの雨よけ施設等、果樹施設整備を支援する果樹栽培施設等整備支援事業を拡充して実施します。

 健康増進施設「Re play!TENDO」については、市民の健康増進および福祉の向上を目的として適切な管理運営を行います。

 地域経済の活性化と安定した雇用の場を作るため、新工業団地整備事業を引き続き実施します。

 

(住みよい環境と安心を守るまちづくり)

 三つ目に、「住みよい環境と安心を守るまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。

 複雑多様化する災害等に対応するため、救助工作車整備事業を実施します。

 発災初動期の迅速な対応のため、市スポーツセンター等の指定避難場所に資機材等の整備を行う避難所資機材等整備事業を実施します。

 予約制乗合タクシー運行事業については、運行形態の一部見直しを行い、引き続き市民の交通手段確保を図ります。

 市民保養施設の第3号源泉を汲み上げるため、揚湯設備の整備を行います。

 豪雨等による地下道の冠水に対して、車両等の侵入防止対策施設を整備し、道路交通の安全を図る地下道安全対策事業を実施します。

 市民生活の利便向上と高速道路へのアクセス向上を図るため、スマートインターチェンジの整備を引き続き実施します。

 転入世帯や若者世帯、子育て世帯に対し、新築住宅取得費用の一部を支援する「住むならてんどう!新築住宅取得応援事業」を実施します。

 中古住宅や空き店舗等を住まいとして購入した世帯に対し、取得費用の一部を支援する「やっぱりてんどう!中古物件等取得支援事業」を実施します。

 道路等の改良や維持補修等を計画的に実施するほか、市道橋梁工事についても引き続き取り組みます。

 水道・下水道事業については、引き続き健全な経営に努めながら老朽施設の対策を進めてまいります。水道事業は、安全な水を安定して供給するため、老朽管路の耐震化や配水施設の更新等を計画的に実施します。下水道事業は、汚水管渠の調査と更生、マンホール蓋の更新等を計画的に実施します。

 

(夢をはぐくむ学びのあるまちづくり)

 四つ目に、「夢をはぐくむ学びのあるまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。

 熱中症対策および指定避難所として使用時の暑さ対策を図るため、市スポーツセンターのメインアリーナにスポットエアコンを設置します。

 児童数の増加に対応するため、特別教室を増築する高擶小学校特別教室整備事業を実施します。

 教員の働き方改革と生徒の水泳技術向上のため、中学校水泳指導の民間委託を行う水泳指導民間委託事業を実施します。

 子育て支援の一環として、中学生のいる世帯の経済的負担軽減を図る中学生学校給食無償化事業を実施します。

 不登校および不登校傾向にある児童に一人ひとりのニーズに応じた学びを保障するため支援員を配置する、別室学習支援員配置事業を実施します。

 生徒にとって望ましいスポーツ・文化芸術環境の構築と教員の働き方改革推進の両立を目指し、部活動地域移行推進事業を実施します。

 ラ・フランスの生産量日本一を全国にピーアールし、スポーツの振興および健康増進を図るため、天童ラ・フランスマラソン2024を開催します。

 プロスポーツチーム等のホームタウンとして、引き続きモンテディオ山形の支援を実施します。

 社会教育施設等整備計画に基づき、老朽化した市立荒谷公民館の改築事業を実施します。

 機能や設備の充実と、更なる活性化や新たな付加価値の創造のため、基本・実施設計等を行う市立図書館リノベーション事業を実施します。

 

(健全な行財政をともに築くまちづくり)

 最後に、「健全な行財政をともに築くまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。

 姉妹都市であるイタリア・マロスティカ市との交流を促進するため、2年に1度開催される人間チェスに合わせて、マロスティカ市民訪問団事業を実施します。

 LINEを活用し、行政サービスの充実を図る市公式LINE運用支援システム導入事業を実施します。

 地方への移住を促すため、一定の要件の下で東京圏から本市に移住した方等を支援する移住支援事業を実施します。

 ふるさと納税については、地場産業と伝統工芸等の振興を図るため、賛同する寄附者を全国から集めるように取り組んでまいります。

 

 以上が令和6年度における施策の大要であります。

免責事項について アクセシビリティについて リンク集 サイトマップ
ページトップへ画像