市長の部屋

随想集

平成23年12月

 先月中旬ごろまでは、平年より暖かい日が続いておりましたが、師走を迎え寒さが一段と身に凍みる季節となりました。
 年の瀬を迎えるにあたり、今年1年を振り返ってみますと、未だに3月11日に発生した東日本大震災の大きな爪跡が残り、人々の心から消え去っていないのが現実であります。震災発生以後は、まさに国を挙げた復興・復旧と被災者・避難者支援に明け暮れた一年ではなかったかと記憶しております。
 福島第一原子力発電所事故の影響により、本市にもいまだ600名を超える方々が、避難者向け民間アパートや公営住宅等で避難生活を送っております。避難者の皆さまも、避難生活が長期に及び、心身ともに疲弊されているのではないでしょうか。
 本市では、9月から天童市市民文化会館2階にある、以前レストランのあった場所に、避難者同士、あるいは避難者と天童市民が交流できる場として、「天童市避難者支援サロン」を毎週火曜日、水曜日、金曜日にオープンし、福島県の地元紙や避難元の県・市町村や本市からの必要な情報を提供しております。震災という不幸な出来事はありましたが、それがきっかけとなり、こうした交流の機会が生まれたことも事実であります。
 避難者に限らず、どなたでも御利用いただけますので、市民の皆さまを始め多くの皆さまにも気軽にお立ち寄りいただき、交流を深めていただきたいと考えております。
 さて、震災発生直後から東日本の大半の地域において電力供給が全面的にストップし、本市におきましても翌日の正午前後まで、電力をエネルギー源とする機器が全く役に立たず、いわゆる無用の長物と化しました。4月7日に発生した最大余震の時も同様の状況に陥り、一ヶ月の間に2度も電力の供給が途絶えるという経験をしました。
 これら電力供給の課題を含め、大震災時に不便を来した状況について、各自主防災会や市民の方々から御意見をお伺いし、十分な検証を行った結果、避難所において必要最低限の電力供給に支障を来さないようにするため、災害時に避難所として使用することになる各市立公民館に発電機1台、20リットルのガソリン携行缶の配備が完了し、今後は照明器具を配備いたします。発電機は、公民館のパソコン、コピー機、パイプ照明、投光器、テレビ、無線機が同時に使用できる定格出力のものとなっています。また、災害状況により避難所を移動する必要が生じた場合は移動して使用できる可搬型となっています。
 このように、必要最低限の避難生活を確保できるよう、一定の非常時用機材や備蓄品を配備させてはいただいておりますが、市民の皆さまがより質の高い避難生活を送るには、一人ひとりの災害に備えた心構えと自助努力も必要であると考えております。皆さま自身が避難生活に必要な物資を日ごろから買い揃えておくことも重要になると考えておりますので、非常時に備えた備蓄についても御協力いただきますようお願い申し上げます。
 我々は大震災を経験し、災害に強いまちづくりを着々と推し進めておりますが、来るべき平成24年は、災いのない平穏な一年でありますよう心からお祈り申し上げ、今年の所感の締めくくりとさせていただきます。

天童市長 山本信治

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