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施政方針

平成31年度 施政方針

平成31年度施政方針を掲載しました

はじめに

 平成30年度第5回天童市議会定例会に当たり、市政運営の基本的な考え方について、所信の一端を申し上げ、市民の皆様並びに議員各位の御理解と御協力をお願いする次第であります。
 私が市政をお預かりして11年目になる平成31年度は、平成の終わりと新天皇の即位に伴う新しい時代の到来、消費税の引上げなど、変化の大きな年になることが予想されます。この節目の年に当たり、初心を忘れることなく、新たな決意で臨んでまいる所存であります。
 平成30年度を振り返りますと、市長就任以来一貫して掲げてきた「子育て支援」、「観光・ものづくり」、「スポーツ・文化・健康づくり」の三つの日本一への挑戦に向けた様々な施策を展開するとともに、市制施行60周年を記念した各種の事業に取り組み、例年以上に華やかな1年でありました。
 本市の大きな魅力の一つである子育て支援につきましては、18歳までの子どもの医療費無料化事業、第3子以降保育料無料化事業に引き続き取り組み、増大する保育需要に対応するため、認可保育所や認定こども園、放課後児童クラブ等の整備を進めました。子育て未来館「げんキッズ」では、オープンから3年4か月で利用者100万人を達成したところであります。学校施設の環境改善においては、小学校の空調設備やプールなどの施設の整備、改修を行い、特に空調設備については、全ての小中学校の普通教室で整備が完了しました。また、電子黒板の大規模小学校への設置や計画的なタブレット端末の導入を行ったほか、各中学校に部活動指導員を配置するなど、教育環境の充実を図ったところであります。
 市制施行60周年のメインイベントとなった「二千局盤来」では、市民の皆様を始め、多くの方々から多大なる御支援、御協力をいただきながら、ギネス世界記録を達成することができました。「天童桜まつり 人間将棋」では、2年連続で11万人を超える多くの方に御来場いただいたほか、「将棋の日」を開催し、日本一の将棋のまちのピーアールに努めたところであります。また、山口西工業団地については、用地買収等に取り組み、新たな産業や就労の場の創出等を図るため、早期の分譲開始に向け事業を推進してまいりました。
 市制施行60周年を記念して開催した「ラジオ体操・みんなの体操会」については、大勢の参加者により成功裏に開催できたほか、天童ラ・フランスマラソン大会については、これまでで最多となる6,800人を超える申込みを得て開催することができました。老朽化に伴い更新した移動図書館「まいづる号」については、バリアフリーなどの機能性を備え、昨年12月から運行を開始しております。介護保険事業においては、地域の居場所づくりの推進や成年後見センターの設置などのほか、介護事業所の協力の下、ショッピングリハビリ事業を展開してまいりました。
 また、市道矢野目高擶線の一部として整備を進めてきた出羽高擶橋が昨年4月に開通し、山元地内に整備した集落公園については昨年12月に供用を開始したところであります。
 このように、本市のさらなる発展に向けて各種施策を着実に進めることができましたのは、議員の皆様を始め多くの市民の皆様の御協力の賜物と、深く感謝申し上げる次第であります。
 さて、国政においては、教育費の無償化による子どもを産み育てやすい社会への転換、働き方改革を伴った誰もが活躍できる一億総活躍社会の実現、高齢者だけでない全世代型社会保障への転換などを目指しております。また、地方に飛び込む若者を力強く支援することで東京から地方への人の流れを加速させるとしています。少子高齢化は、国においても、持続可能な成長にとっての最大の課題であり、地方創生を始めとする様々な施策を展開しておりますが、人口減少が進行する地方においては、その及ぼす影響は、深刻さを増している現状にあります。
 このような状況の中、本市としては、将来都市像「笑顔 にぎわい しあわせ実感 健康都市 ~ともに明日をひらく てんどう~」の実現を目指し、生き生きとして住み続けられる持続可能な未来を描くことができるよう、第七次天童市総合計画に掲げる5つのまちづくりの目標に基づく各種施策に積極的に取り組んでいく考えであります。 

平成31年度予算の大要

 我が国の景気及び経済情勢は、企業収益が改善しつつある中で、設備投資が増加するとともに、雇用・所得の改善により個人消費の持ち直しが続くなど、緩やかな回復基調が続いております。経済の好循環が実現しつつある中で、内需を中心とした景気回復が見込まれる一方、海外経済の動向や金融資本市場の変動、国際的な通商問題等が世界経済に与える影響は不確実性を増しており、さらに今年10月に予定されている消費税率の引上げが経済に与える影響など、国内経済の先行きは不透明な状況が続いております。
 このような中、国においては、引き続き「経済再生なくして財政健全化なし」を基本とし、少子高齢化の克服による持続的な経済成長を実現するため、「経済財政運営と改革の基本方針2018」で示した「新経済・財政再生計画」の枠組みの下、手を緩めることなく歳出改革に取り組みながら、経済の好循環の強化と財政健全化の目標の実現を図ることとしております。また、消費税率の引上げによる影響を限りなく最小限に抑えるため、あらゆる施策を総動員し、経済の回復基調が持続するよう充分な支援策を講じるとしております。
 一方、平成31年度の地方財政対策においては、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源総額について、平成30年度地方財政計画を上回る額を確保することとしております。赤字地方債である臨時財政対策債を大幅に抑制し、地方交付税の総額を確保するなど、一般財源の質の改善も図られています。しかしながら、社会保障関係経費の自然増や今年10月に実施される幼児教育・保育の無償化による影響など、地方財政を取り巻く現状は、引き続き厳しい状況が続いております。
 こうした中、本市の平成31年度当初予算編成に当たっては、第七次天童市総合計画の推進を図るため、中長期的な視点に立った持続可能な財政運営の確保はもとより、緊急度や優先度に応じた事業の取捨選択を基本にしつつ、最少の経費で最大の効果を発揮するよう予算を編成したところであります。
 歳入予算については、景気の回復基調を背景とした個人所得の伸びや新市街地の開発等による市税の増加を見込んでおります。国や県の補助金等の財源を適切に見込んだほか、市債については、後年度負担を考慮しながら総額を抑制し、基礎的財政収支を黒字としたところであります。
 歳出予算については、本市を特徴づける施策である子育て支援に引き続き取り組むとともに、雇用の場の確保や福祉、教育施設の充実を図ってまいります。また、市民の安全・安心を守る施策についても力を入れ、さらなる魅力あるまちづくりを展開してまいります。
 この結果、平成31年度の一般会計予算総額は、260億5千万円で、前年度比20億9千万円、8.7%の増となっております。また、一般会計並びに特別会計、企業会計を含めた全会計の予算総額は、465億4,542万2千円で、前年度比3億4,668万4千円、0.8%の増としたところであります。 

平成31年度重点施策

 次に、平成31年度の重点施策について、第七次天童市総合計画の基本計画に沿って、御説明申し上げます。

(健康と健やかな成長を支え合うまちづくり)
 初めに、「健康と健やかな成長を支え合うまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。
 高齢者を始め広く市民の健康づくり等を推進するため、かまた荘とふれあい荘の一体的な改築による高齢者健康福祉施設について、2020年4月のオープンを目指し、跡地の駐車場も含めて整備してまいります。
 介護サービスの基盤整備に向け、介護事業者の地域密着型介護施設の整備を支援します。高齢者へのきめ細かな対応を図るため、地域包括支援センターの専門職を増やすとともに、紙おむつ支給事業について、ニーズに沿った利便性の向上を図ります。
 成生児童館の後継施設を始めとする認可保育所や認定こども園等の整備を引き続き支援するとともに、病後児保育施設の設置についても支援を行い、増大かつ多様化する保育需要の受け皿確保に努めてまいります。また、第3子以降保育料無料化事業については、幼児教育・保育の無償化に適切に対応しながら継続して実施するとともに、18歳までの子どもの医療費無料化事業に、これまで同様、取り組んでまいります。
 妊娠出産における支援を強化するため、母子保健コーディネーターによる健康相談を妊娠後期において充実するとともに、特定年齢の男性に対する風しんの抗体検査や予防接種を実施します。
 病院事業については、信頼される医療の提供や人材の確保と育成はもとより、経営再生アクションプラン、第2次中期経営計画に基づく経営の効率化や収益の確保に取り組むことで収支の黒字を目指すなど、引き続き経営の健全化に努めてまいります。

(産業の活力と魅力あふれるまちづくり)
 次に、「産業の活力と魅力あふれるまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。
 さくらんぼに代表される果樹産地としての基盤整備を図るため、奨励品種の苗木購入等に対する支援を拡充します。中山間地域における農作物の鳥獣被害の軽減を図るため、侵入防止柵整備に対する支援を拡大します。森林環境譲与税を財源として、適切な経営管理が行われていない民有林の整備を進めてまいります。
 新たな産業や就労の場の創出等を図るため、山口西工業団地については、2020年度の一部分譲開始に向けて整備工事に取り組んでまいります。
 商業の活性化を図るため、空き店舗の利活用を促すとともに、商店街等の魅力向上に向けた施設整備などへの支援を拡充し、一層のにぎわい創出を目指します。「将棋のまち」のピーアールを図るため、天童桜まつり人間将棋のインターネット中継等を引き続き実施するとともに、二千局盤来のギネス世界記録達成記念モニュメントを整備するほか、プロ棋士の輩出を目指した「指す将棋」の普及にも力を入れて取り組んでまいります。

(住みよい環境と安心を守るまちづくり)
 三つ目に、「住みよい環境と安心を守るまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。
 住宅等への太陽光発電システム設置に対する支援について、対象設備を拡大し、再生可能エネルギーの導入を促進します。
 スマートインターチェンジの整備に向けた協議、検討を継続するとともに、山口西工業団地に接続する市道天童東根線の橋梁工事に着手するほか、市道の改良や維持補修、橋梁の長寿命化についても計画的に取り組んでまいります。除雪については、間口除雪等を継続するとともに、GPSによる除雪車両の運行管理に取り組み、業務の効率化、円滑化を図ります。
 水道・下水道事業については、持続可能な健全経営に努めてまいります。水道事業については、安全な水を安定して供給するため、管路の耐震化や配水施設の更新等を実施します。下水道事業については、長寿命化と耐震化を図り、良好な生活と環境を確保するため、汚水管渠の更生やマンホール蓋の更新等を実施します。
 都市公園の遊具の更新やトイレの改築、集落公園の整備等を引き続き実施するとともに、天童公園のもみじ園の整備にスピード感を持って取り組んでまいります。
 災害等発生時の迅速な情報伝達を図るため、同報系防災行政無線や個別受信機の整備を引き続き行います。市民の安全・安心を確保するため、高規格救急自動車や火災現場調査車両を更新し、消防力を強化してまいります。

(夢をはぐくむ学びのあるまちづくり)
 四つ目に、「夢をはぐくむ学びのあるまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。
 児童生徒の問題解決に向け、スクールソーシャルワーカーを配置し、学校や家庭のみならず、福祉関係機関とも連携した支援に取り組みます。新学習指導要領に基づき実施される小学校6年生の英語教育において、英語4技能検定を一部の小学校で試験的に導入し、小中学校の連携による英語力の向上を目指します。教育用コンピューターの更新に合わせ、計画的にタブレット端末の導入を進め、引き続きICT教育環境の充実を図ります。教育環境の維持と財政負担の平準化を図るため、長期的な視点での学校施設の長寿命化計画を策定します。
 社会教育施設等整備計画に基づき、老朽化した市立津山公民館を改築するとともに、市立山口公民館の2020年度改築に向けた設計業務に取り組んでまいります。
 東京オリンピックの事前キャンプにおけるトルクメニスタンとのホストタウン交流事業に引き続き取り組むとともに、ラグビーワールドカップ2019の公認チームキャンプ地として、サモア独立国との交流事業等を実施します。スポーツツーリズムを通した相互交流による競技技術の向上や地域経済の活性化を図るため、県外からの合宿等の誘致を促進します。天童ラ・フランスマラソン大会については、本市のピーアールに資するため、新たな種目の追加と参加者の拡大を行い、より一層魅力的な大会を目指します。また、モンテディオ山形の新スタジアム誘致については、手をこまねくことなく積極的に取り組んでまいります。

(健全な行財政をともに築くまちづくり)
 最後に、「健全な行財政をともに築くまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。
 健全な行財政運営はもとより、タブレット端末の導入等によるICT議会を推進するとともに、広域行政においては、山形市の中核市移行に伴った連携中枢都市圏構想に参画し、地域活性化に努めてまいります。
 ふるさと納税については、地場産業の振興や本市のピーアール促進等に向け、国や他の自治体の動向を注視しながら、適正に取り組んでまいります。
 国際交流協会による海外の姉妹友好都市への市民訪問団派遣を支援するとともに、地域おこし協力隊の導入等による移住・定住施策を推進してまいります。

 以上が平成31年度における施策の大要であります。 

この記事に関するお問い合わせ

担当課: 総務部市長公室
tel: 023-654-1111
fax: 023-653-0704

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